リップル、XRPレジャーにワームホールを統合──機関投資家によるマルチチェーン取引を促進 | CoinDesk JAPAN（コインデスク・ジャパン）

• リップルは、ワームホールをXRPレジャー（XRPL）およびXRPL EVM互換サイドチェーンに統合することで、マルチチェーン相互運用性を強化。
• この統合により、イーサリアム、ソラナ、アバランチなどの35を超えるブロックチェーンネットワーク間で、暗号資産、ステーブルコイン、トークン化されたRWAをシームレスに移動できるようになる。
• 「真のマスアダプションを目指すなら、相互運用性が不可欠だ」とリップルの最高技術責任者、デビッド・シュワルツ氏は述べた。

リップル（Ripple）社は、主要なクロスチェーンメッセージングプロトコルであるワームホール（Wormhole）をXRPレジャー（XRPL）およびXRPL EVM互換サイドチェーンに統合することで、マルチチェーン相互運用性をさらに強化している。

26日に発表されたこの動きは、ステーブルコインやトークン化された現実資産（RWA）を含む暗号資産を、複数のブロックチェーンネットワーク間で摩擦や断片化を生じさせることなくシームレスに移動させたいという機関投資家の需要に応えることを目的としている。

ワームホールの統合により、イーサリアム（Ethereum）、ソラナ（Solana）、アバランチ（Avalanche）などの35を超える対応チェーン間で、XRPLのネイティブトークンであるエックス・アール・ピー（XRP）、発行資産、多目的トークンを転送できるようになる。

開発者は、ワームホールのメッセージングインフラを使用して、クロスチェーンのスマートコントラクトの相互作用を開始することもできる。このアップグレードにより、開発者や機関は、コンプライアンス、低コスト、高速決済を優先するマルチチェーンアプリケーションを構築できるようになるとリップルは述べた。

「真のマスアダプションを目指すなら、相互運用性が不可欠だ。インフラは一つのチェーンだけでなく、複数のチェーンにまたがって存在する必要がある」とリップルの最高技術責任者（CTO）、デビッド・シュワルツ（David Schwartz）氏はCoinDeskに共有されたプレスリリースで述べた。「今回の統合により、XRPL上でネイティブに発行されたトークンがブロックチェーンネットワーク間で移動しながらネイティブ発行と制御を維持できるようにすることで、その現実に備えられる」

この動きは、XRPLが、機関投資家や不動産などのトークン化された現実資産のハブとしての地位を高めつつある中で起きている。例えば、ドバイ初の不動産トークン化プラットフォームはXRPL上で構築されており、適格投資家がマンションの一部を購入したり、権利証書をネットワーク上でトークン化したりすることを可能にした。

XRPLと密接な関係を持つ、決済に特化したブロックチェーン開発企業であるリップルは、独自の規制されたステーブルコイン「リップルUSD（RLUSD）」も発行している。rwa.xyzのデータによると、このトークンはXRPLとイーサリアムチェーン全体で4億ドル（約576億円、1ドル144円換算）の供給量がある。